2022年5月現在、米国株が大暴落している。
とある記事によると、投資本を出しているお笑い芸人の「厚切りジェイソン」さんが、個人ツイートを全削除したらしい。
どうやら、含み損を抱えた個人投資家から、クソミソに文句を言われたのが影響とのことだ。
これを見た瞬間、僕は率直にこう思った。
「そんな奴は投資する資格はない」
自分に都合の悪い結果になったときだけ、人のせいにするのはいかがなものか。
投資というのはあくまで自己責任である。
こういう書き込みを見るたびに、投資で本当に大切なのは「お金がたくさんある、なし」ではなく、「資金管理ができてるかどうか」だと常々思うわけだ。
今回は投資をやる上で、いかに資金管理が大切なのかを記事にまとめてみようと思う。
お金がたくさんあるかどうかは関係ない

勘違いしないでもらいたいのだが、投資でより大きい金額まで膨らませようと思ったら、軍資金が多いにこしたことはない。
よりたくさんの果実を得ようと思ったら、より大きい菜園が必要なのと同じ理屈だ。
でも投資をやる上で、軍資金が多いからといって必ずしも高いパフォーマンスを叩き出せるか、と言われるとそうでもない。
なぜなら資金管理ができていないと、含み損を抱えた瞬間に狼狽売りしたりして、投資から撤退する羽目になったりするからだ。
一番大切なのは、資金管理ができているかどうかだ。
軍資金の多い少ないが問題なんじゃない。
例えば、投資信託で100万円運用していて、それが90万に目減りしたとしても、どうせすぐ元に戻るだろうと思えて、それほどメンタルはブレない。
だがこれが50万まで目減りすると、すっからかんになるのは嫌だとばかりに狼狽売りしてしまったりする。
そして売った翌月には元に戻り、そのまま保有しておけば150万まで膨れ上がっていた、なんてこともざらだ。
そしてこれが仮に1000万の運用だったらどうだろう?
1000万が900万まで目減りしたら、その瞬間100万の含み損だ。
先程は50万減っただけで狼狽売りしたにも係わらず、同じ10%の下落で、既に2倍の損失額に膨れあがるのだ。
気づいてもらえただろうか?
運用するお金が増えれば増えるほど、メンタルへの負担が増していくのだ。
だからこそ、資金管理を徹底するという、鋼の精神が必要なのだ。
「暴落が来ようと絶対に売らない」
「タイミングを見計らっての短期売買はしない」
どれだけ資産が増えようと、今までと同じルールを淡々と続ける。
この意識こそが、投資を続ける上で何よりも重要なのだ。
急いで金持ちになろうとしすぎ

思うに投資だけでなく、ギャンブルでも大金を突っ込むような人は、総じて早くお金持ちになろうとしすぎている。
投資の神様と評される「ウォーレン・バフェット」にこんな有名な格言がある。
ウォーレン・バフェット 成功の名語録 世界が尊敬する実業家、103の言葉
喜んで10年間株を持ち続ける気持ちがないのなら、
たった10分間でも株を持とうなどと考えるべきですらない
投資というのは、短期売買であればあるほど、マイナスを抱えるリスクが高まるようになっている。
逆を言えば、長期投資であればあるほど、プラスの成績になりやすいということだ。
そして米国株の投資リターンにおいても、こんな面白いデータがある。
以下の画像を参照してもらいたい。

たった1年運用しているだけでは、損益と損失の確率がほぼ半々なのに対し、長期になればなるほどマイナスになるケースが減っていく。
そして15年運用していれば、含み損を抱える人がゼロとなるのだ。
これがいかにすごいことか分かるだろうか。
米国株を買って長期保有、という選択さえすれば、全員がハッピーになれるということなんだ。
普通、不動産投資などをやるにしても、最終的にプラスで終わるかどうかなんて分かりっこない。
だがこのデータを見ると、米国株を長期保有する、というたったそれだけのシンプルな方法で済むのだ。
でもここで一つ疑問が残る。
こんな公にされたデータがあるにも係わらず、なぜみんなこの方法をやろうとしないのか?ということ。
それはひとえに、どいつもこいつも早くお金持ちになろうとしすぎているからだ。
「1日でも早く会社員を辞めたい!」
「早く大金持ちになって贅沢したい!」
そうやって急ぎすぎるがあまり、FXでレバレッジをきかせすぎて、強制ロスカットされたりしている。
マリオカートに例えれば、ショートカットを意識しすぎてコースアウトしているようなものだ。
急いで金持ちになろうとするな。
そんなに早く金持ちになれるなら、周りの人間全員、富裕層だらけになっている。
原価を知るということ

1リットルの牛乳を買おうと思ったとき、コンビニで買うだろうか、それともスーパーで買うだろうか?
コンビニは高いからスーパーで買う、といったそこのあなた。
なぜコンビニの牛乳は高いと思えたのだろう?
それはあなたが、スーパーで買った方が安い、ということを既に知っているからだ。
そしてスーパーで牛乳を買うときも、おおよその値段を把握している。
1リットルの牛乳が500円もしたら、「高すぎて買えるかっ!馬鹿にしてるのか!?」と思うだろう。
それはあなたが、牛乳がおおよそ150~200円ぐらいであると相場を知っているからだ。
コンビニで買わないという選択をしたのも、コンビニの方がスーパーよりも100円近く無駄に高い、ということを把握しているからだ。
これを投資に置き換えると、今の株価が上がり過ぎなのか、それとも下がり過ぎなのかを把握していれば、より賢い投資ができる、ともいえる。
僕は基本、ドルコスト平均法で淡々と積み立てる運用をおすすめしているのだが、それでも株価は毎日チェックしている。
それは株価が上がりきっているときはなるべく余剰金を確保しておき、逆に下がっているときは余剰金をぶち込んで多く株を買おうと備えているからだ。
余剰金はジェットエンジンと同じ

「ワイルド・スピード」という映画を知っているだろうか。
改造した車をぶっ飛ばして、レーシング対決をする映画だ。
その映画では、車に搭載された「ニトロ」をどのタイミングで使うかで勝敗が分かれる、というシーンがよく見られる。
投資における余剰金も、このニトロをどう使うかと非常によく似ている。
使うタイミングを早すぎても遅すぎてもダメで、使う量も一歩間違えれば車が爆発して大事故になってしまう。
しかしそもそもニトロを搭載していなければ、いざというときに勝利を得られない。
それに備えて、ニトロという余剰金を確保しておき、大暴落が起きたときに買い増しできるよう、備えておこうと言いたいわけだ。
そしてそれは、大暴落が起きたとしてもメンタルがブレないようにするという、精神安定剤の意味も兼ねている。
まとまった貯金があれば、無駄に保険に入る必要がないのと同じ理屈だ。
ラットレースから抜け出そう

「ラットレース」という言葉を聞いたことがあるだろうか?
ハムスターが回し車の中で永遠と走っている様を、社畜労働者にあてはめた言葉だ。
働いても働いても支出が増える一方で、一向に労働から抜け出せない状況のことを言う。
なぜこんなに働いているのに、会社を辞めることができないのだろうか?
それは資金管理が希薄だからだ。
例えば、毎月の給料が手取りで20万あるとした場合、家賃10万の部屋に住もうと思うだろうか?
大半の人はそうは思わない。
なぜならそんなことをすれば、生活が破綻するのが見え見えだからだ。
逆に手取りが50万あった場合、家賃10万を高いと思うだろうか。
おそらく先程と比べて高い、とは感じないだろう。
40万も残るのだから、分相応だと錯覚してしまうのだ。
これこそ「ラットレース」に陥る罠なのである。
きっと大多数の人が、50万も毎月入るのだからと、家賃がより高い豪華な部屋に住もうと思うだろう。
さらに余った金で車を買い、頻繁に旅行にも行き、無駄な買い物も繰り返すようになるだろう。
家賃5万の部屋に住み続け、生活費を抑える節約生活を続けていれば、よりお金持ちになれるチャンスがあったにも係わらず、だ。
そしてこれは、僕が期間工として働いているときにも感じたことだ。
正社員の人たちはみな、期間工の僕よりも明らかに高い給料をもらっているはずだ。
にも係わらず、大半の人がパチンコなどのギャンブルに足繁く通い、せっかくの高い給料をすり減らしている。
そして高い家賃も払っていることで、おそらく最終的な純資産で見れば、非正規社員である僕の方が多く貯金できていることだろう。
だが、高い生活水準を維持したい人たちは、そんな生活は耐えられない。
僧侶なみに質素倹約しなければ、この金額で生活するのは到底無理だからだ。
にも係わらず、「金持ちになりたい」だの、「不労所得を得たい」だのと言ってるわりに、贅沢は一向にやめようとしない。
これではラットレースから抜け出せなくて当然だ。
投資をやる上での「資金管理」も大切だが、こうした普段の生活における「資金管理」も同じように重要なことなのだ。
まとめ
詰まるところ、投資をやる上でなぜ資金管理が大切なのかというと、こういうことである。
機械的に長期間運用するため。
要するに、ロボットになればいいのだ。
血の通った人間が運営するアクティブファンドが、機械的に連動するインデックスファンドに投資成績で勝てない、というのは実に有名な話しだ。
たったこれだけでほぼ確実にプラスの結果になるのだから、はっきり言って投資なんて簡単なのだ。
それを小器用を気取ってあれこれやるもんだから、無駄に失敗したりする。
「シンプル・イズ・ベスト」という言葉を忘れずに、投資に日々臨んでいこう。
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